musicandとは

musicand
ABOUT | musicandとは
“正しく”の前に、
音楽してる?

なぜ、評価をやめたのか

WHY

musicandには、上手い・下手というものさしがありません。かっこつけて言っているのではなく、理由があります。

ピアノのレッスンで、カウンセリングの現場で、世界の音楽の場で。いろんな大人の方とお話をしてきました。その中で、一つ気づいたことがあります。踏み出せずに止まっている人の、止まっている理由は、指ではありません。「この歳でいまさら」「下手なのを聴かれるのが恥ずかしい」──弾く前から、評価される準備をしてしまっている。子どもの頃のレッスンで、間違えるたびに止められた記憶を持ったまま大人になった人が、とても多い。

体が身構えているあいだは、技術は入りません。だから評価の定規を先に外す。それだけの、実務的な理由です。

といっても、musicandは技術を教えないゆるい場所ではありません。指導方法を学び続けて、テクニックをお伝えするのは、プロとして当たり前のこと。ただ、順番が違うだけです。子どもも大人も、順番は同じ。体がゆるんでから、音が始まります。

「上手、下手、正しい、間違ってる、そういう基準で接するのではなく、楽しい、楽しくないが1番の基準だとわかりました。」ー 40代・音楽教室経営者
大人のピアノレッスン
大人のピアノレッスン

ピアノと、出会い直す

REUNION

私自身の話をします。長らく、ピアニストとしての現場から離れていました。演奏活動をもう一度始めようと、昔バリバリ弾いていた曲に手を伸ばしたら、前みたいに指が動かない。ああ、と思いました。

ところが、弾いているうちに気づいたんです。音楽の聞こえ方が、昔と全然違う。広がり方も、感じ方も違う。指は戻っていないのに、今の私にしか出せない音色、今の私にしかできない表現に出会ってしまった。

ブランクは、失った時間ではありませんでした。ピアノと出会い直すための時間だった。

だから「この歳でいまさら」と言う人に、私は経験から言えます。今のあなたで弾くピアノは、昔のあなたには弾けなかったピアノです。今のあなたにしか出せない音色があります。

今の私にしか出せない音色
今の私にしか出せない音色

ルワンダで、先生するのをやめた

RWANDA

ピアノの先生なのに、ピアノがない。楽器もない。そのことに、1mmも動揺しなくなりました。むしろ、何ができるか、どうやってみんなで音楽を共有していくかに目がいく。一人一人の中に、もう音楽があると知っているからです。水を貯める黄色いポリタンクが、いいビートを刻むことも知っている。だから、ポリタンクとみんながいれば、十分でした。

ルワンダの村で
ルワンダの村で、娘が輪の中に飛び込んだ

ルワンダの村で、イギタラモと言われる、眠りにつく前に踊って歌う輪の中に入り、自分のあらゆる感情が溢れ出た経験。KISEKIという、シングルマザーの支援施設でリトミック指導をしていた時に、私が教えようとしなくても、ママたちの中には、もう素晴らしい音楽があることに気づいた。

だから私は、教えるのをやめました。正確には、「先生」をやめた。

教え導く人ではなく、一緒に鳴らす人。相手の中にもう鳴っている音楽を、ひきだしていくこと。評価と称賛を先生の位置から渡すと、音楽は崩れる──25年教えてきて、ルワンダで確信に変わったことです。

教育者として名乗ります。ただし、先生だけど、先生じゃない。

ピアノとは、音楽とは

PIANO & MUSIC

だから、musicandの答えはシンプルです。

音楽しているか、していないか。スキルも、楽器の有無も、関係ありません。

そのうえで、ピアノには、ピアノにしかない深さがあります。旋律も、低音も、和声も、たった一台で同時に鳴らせる。右手で希望を、左手で悲しみを、一緒に響かせられる。そんな楽器は、そうありません。その深さは、1対1のレッスンでこそ引き出せます。

ピアノを弾いてみたい、好きだ。その気持ちがあれば、ピアノがなくても、musicandの扉はいつでもあいています。

1対1で向き合う
1対1で、向き合う。イギリス・マンチェスターにて。
(ピアノという楽器そのものの深掘りは、noteで書いていきます)

からだ、こころ、あたま

BODY, HEART, MIND

レッスンには順番があります。からだ→こころ→あたま。

緊張した体では、何も入りません。だから最初にやるのは、指の練習ではなく、肩と呼吸をゆるめること。体がゆるむと、気持ちが動き出す。気持ちが動いてから、はじめて頭──楽譜や理屈──の出番です。この順番を逆にすると、大人は考えすぎて固まります。子どもは飽きます。

順番、と言いましたが、三つは別々の部屋で働いているわけではありません。オーケストラのように、いつも響き合っています。体がゆるめば音の聴こえ方が変わり、気持ちが動けば指も変わる。入口は体からですが、動き出せば、三つが一緒に鳴ります。

一人ひとりに合わせて
一人ひとりに合わせて

musicandは、がんばりに行く場所ではありません。体をゆるめて、評価の定規を外して、自分の音で動き出す場所です。

自分の音、というのは、ふわっとした話ではありません。呼吸の速さも、心地いいテンポも、調子のいい日の音も、疲れた日に出る音も、人によって全部違います。楽譜の正解は誰が弾いても同じですが、それを鳴らす体は、世界に一つしかない。その体からしか出ない音のことです。私がブランクのあとに出会った音色も、それでした。

私は世界のあちこちの音楽の現場を回ってきましたが、どこでも起きることは同じでした。体がほどけた人から、音楽が始まる。上達は、その旅の途中で増えていきます。

小さな入り口

FIRST STEP

いきなりレッスンでなくて構いません。musicandには、piano pod(ピアノコミュニティ。ソロでも、初めましての人との連弾でも、歌でも参加できる弾き合い会)や、カフェでのリトミックや歌、コーラスなど、小さな入口をいくつも開けています。まず輪の中に座ってみると、この場所が合うかどうか、なんとなくわかります。

私自身、今も新しい音に出会い続けています。ピアノは、何歳になっても私を飽きさせません。

次は、あなたの番かもしれません。まずは、散歩のつもりで、輪のそばまで。

まず輪に座ってみる
まず、輪に座ってみる